こんにちは、m_yossieです。このブログでは、独学で医学部再受験を頑張っている方に役立つ情報を発信していきます。
島根大学編入試験の解説と対策をお願いします。
前回の記事では、受験勉強の計画をどのように立てるかを説明しました。
本記事では、いよいよ科目別に具体的な学習法を解説していきます!
私は医者の家系に生まれた訳ではなく、母子家庭育ち、母は高卒です。高校生の頃から医学部に憧れていましたが、2浪しても合格できず、基礎研究の道に進み、医師の夢からは遠ざかっていました。
しかし、30を前に一念発起して医学部再受験の勉強を始め、独学で国立大学医学部の編入試験に合格しました。現在、内科医として日々臨床を行っています。
また、医学部専門予備校で講師として10年間の指導経験があり、多数の生徒を合格に導いてきました。編入学試験受験者の指導経験もあります。
どの医学部を受けるにしても、英語の勉強を避けて通ることはできません。
「中学の頃から英語をやっているはずなのに、なぜできないんだろう?」
本記事では、英語の成績が伸び悩み、どこから手をつけてよいか分からず困っている方に、自分の経験を踏まえて具体的な学習法と参考書・問題集の紹介を行っていきます。最後まで読んでもらえると嬉しいです。
はじめに
どの科目の学習に関しても言えることですが、できるだけ同じ著者の参考書・問題集を使うようにしましょう。
なぜなら、同じ問題を解くにしても、教える人間によってやり方が全く異なるからです。英語の読解を例に挙げると、同じ文章を前から順にどんどん解釈していく先生もいれば、今回ご紹介する富田先生のように、まず動詞の数を数えることから始めるといったやり方をする先生もいます。ですから、同じ科目で複数の先生のテキストを使ってしまうと、一貫したやり方をマスターしにくくなってしまいます。試験本番でも、準備してきたやり方で一貫して問題を解くということは、精神的な安定が得られますので、重要なポイントです。
科目別学習法では、原則として、
- 振り返り教材(忘れてしまった、または習得できていない基礎を集中的に振り返る)
- メイン教材(基本書)
- 橋渡し教材(一般受験から編入試験への「橋渡し」)
の順に参考書・問題集を紹介していきます。過去問分析を行ってみて、自分に必要とされる段階から学習を始めてください。
英語のオススメ教材
1.振り返り教材
『7日間で基礎から学びなおす カリスマ先生の英文解釈』 PHP研究所
本書は社会人向けに、英文解釈に必要となる事項をまとめた読み物形式となっていますが、医学部再受験に向けて英語の勉強を始める足がかりになるものです。時間をかけずに英語という科目の振り返りをするには最適の本です。
『富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解 基本ルール編 (代々木ゼミ方式) 』 代々木ライブラリー
『富田の基礎から学ぶビジュアル英文読解 構文把握編 (代々木ゼミ方式)』 代々木ライブラリー
みなさんも英語の勉強を始めた頃に、5文型というのを1度は学習したと思いますが、実際に文型の理論をどのように使って英文読解を行っていくのかについては、学校ではあまり教えてもらえません。この最初の段階での準備不足が、英語という科目が得意になれないことにつながっているのです。
「ビジュアル英文読解」は、英語が苦手だという人には最適の本です。「文の形」にこだわって、そこから意味を決定していく。やっていることはシンプルなのですが、やはり最初の段階でこの訓練を行うことはとても重要です。分量もちょうどよいので、反復学習に適しています。
2.メイン教材
① 英単語
『The Word Book とみ単』 大和書房
この本、「自分が受験生の頃に欲しかった!」と思います。
富田先生の授業を受けるようになってから、単語集というものをやらなくなりました。わからない単語が出てきても辞書を引かなくなり、文の形から意味を推測できるようになります。
本書も、いかに単語を覚えないで読ませるかを徹底的に追求しており、他の単語集とは全く異なるものです。実は、「こんな単語、知ってるよ」というような基本的な単語で足をすくわれることが多いのです。本書では、使い方を理解しておくべき重要単語に的を絞って読み物形式で解説しています。
また、よく富田先生が授業で「一家に一台トラクター。tractは引っ張るだよ。」と言っていましたが、語根から単語の意味を推測するやり方に関しても解説しています。これは、医学英単語や自然科学に関連した英単語の意味を推測する上でも重要なやり方ですので、ぜひマスターしておきたいです。
英作文に使える例文も掲載されており、まさに一石二鳥、三鳥の本です。
② 英文法
『富田の入試英文法(代々木ゼミ方式)』 代々木ライブラリー
「入試の英文法」シリーズには、富田イズムが尽くされています。文法問題をパターン暗記では終わらせない、一問一問丁寧に、どのように問題にアプローチするかが解説されています。本書を繰り返し学習することで、文法問題での失点はなくなります。
残念なことに紙版はネット上で高値で販売されているようですが、AmazonではKindleで安く発売されており、お得です!
③ 英文読解
『新版 富田の英文読解100の原則』 大和書房
「100の原則」も名著です。文型理論を使いながらいかに英文読解を行うか、タイトルの通り、100の原則にまとめられています。繰り返し学習することで本書の素晴らしさを実感できると思います。本書が難しいと感じる人は、振り返り教材の「ビジュアル英文読解」から始めた方がよいでしょう。
本書を終えたら、あとは志望校の過去問と模擬試験でアウトプットの練習をすれば十分です!
④ 英作文
京都大学のように本格的な英作文を出題する大学を受けないのであれば、英作文に特化した対策はあまり必要ではなく、下手に時間をかけたくないところです。本記事で紹介した「富田の入試英文法」「とみ単」の巻末には、英作文に使える例文集が掲載されています。読解の勉強で使った教材も含め、英作文に使えそうな表現を一緒に習得していくというスタイルが最も効率がよいでしょう。
あえて、英作文の参考書を挙げるとすると、リスニングの対策にもなる以下の教材がオススメです。
この本は、英語が瞬間的に口から出てくるようになるためのメソッドを伝授することを目的としていますが、入試の英作文対策にも十分使えます。付属のCDに全文が収録されており、リスニング教材としても使用可能です。
英作文に関しては、あまり表現のしかたにこだわりすぎないことが肝心です。文法的に誤りのない文であれば、多少不自然な表現でも減点になることはありません。表現にこだわりすぎて、文法が謝っていたら大幅な減点です。あくまでも、文型重視の学習が大事です。
3.橋渡し教材
編入試験を受験するにあたり、特別に英語の勉強をしないといけないと思う人もいると思いますが、大学側としては、あくまでも英語をきちんと理解でき、論旨を追えているかをみているので、結局、一般入試向けの準備がしっかりできているかどうかに尽きます。
編入試験で医学系の論文を課される大学では、医療英単語に慣れておく必要はあります。私が初期研修のマッチング試験にも使用し、ストレスなく面白く勉強できた本がこちらです。
『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』
この本は、小説形式になっており、ストーリーを追いながら医療英単語を学習していくというものです。ポイントは、語根に注目した網羅的な単語の覚え方であるということです。本書を「とみ単」の後にやると、かなり効果的な学習ができると思います。
『ネイチャー』を英語で読みこなす : 本物の科学英語を身につける (ブルーバックス) 講談社
本書は、科学英語に馴染みのない人が、科学英語をどのように読んでいけばよいかを実際の文献を取り上げながら指南するものです。入試で科学論文の読解を課されるところを受験するのであれば、隙間時間に一読してみるとよいです。
英語は暗記ではなく考える科目
私の場合、英語はどちらかというと中学の頃から得意科目であり、私が卒業した高校でも英語教育には力を入れていたこともあって、英語には自信を持っていました。とは言っても、単語や文法の知識・構文をひたすら暗記するという学習法でした。高校生の頃は、いつもカバンの中に『試験に出る英単語』と桐原の『英頻』が入っていました。
暗記中心の学習法でも学校の定期試験や一般的な全国模試ではある程度の点数は取れてしまいます。しかし、国立大学や医学部を目指すのであれば、「暗記ではない」本当の力をつける必要があります。
現役、浪人生時代を通じて、数々の英語の授業を受けてきましたが、私にとっては富田先生のやり方が最も合っていました。1浪目が終わる頃に初めて代々木ゼミナールで授業を受け、暗記学習から脱却して文法の基礎からやり直さないとダメだと気づかされました。
2浪目からは代々木ゼミナールに通い、英語は主に富田先生の講義に出席し、先生の著書と大学の過去問を中心に勉強するようになりました。富田先生はテキストに予習の書き込みは一切されていないのですが、読解の仕方は驚くほど論理的で全く隙がないのです。毎回一生懸命授業内容をノートに書き写し、繰り返しノートを見直して過去問や模擬試験で実践するということを続けた結果、難関大模試でも安定した成績を残すことができるようになりました。本番の試験でも英語は確実に得点できたなという手応えがありました。
大学入学後から大学院時代を通じて、英語で特に苦労することは無くなりました。医学部編入試験に向けて勉強する際にも、英語に関しては基礎がきちんとできているという安心感があるのは大きかったと思います。
編入試験で出題される英語の内容が何であるにせよ、やはり「英語」であることに変わりはありませんので、英語にいまいち自信を持てない方は、辛いとは思いますが基礎のところまで立ち戻って勉強した方がよいです。「急がば回れ」です!
まとめ
本記事では、英語の学習法、オススメ教材について説明しました。
国語と同様に英語をきちんと勉強することで、論理的思考能力も鍛えられます。英語の学力を上げることは全ての科目の底上げにもつながりますので、しっかりと学習していきましょう!
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