こんにちは、m_yossieです。このブログでは、独学で医学部再受験を頑張っている方に役立つ情報を発信していきます。
島根大学編入試験の解説と対策をお願いします。
前回の記事では、志望する大学の過去問を手に入れて分析し、現状を把握することの重要性について説明しました。
本記事では、医学部再受験に向けた勉強計画の立て方を説明します。
私は医者の家系に生まれた訳ではなく、母子家庭育ち、母は高卒です。高校生の頃から医学部に憧れていましたが、2浪しても合格できず、基礎研究の道に進み、医師の夢からは遠ざかっていました。
しかし、30を前に一念発起して医学部再受験の勉強を始め、独学で国立大学医学部の編入試験に合格しました。現在、内科医として日々臨床を行っています。
また、医学部専門予備校で講師として10年間の指導経験があり、多数の生徒を合格に導いてきました。編入学試験受験者の指導経験もあります。
具体的な計画を立てずに何となく勉強していると、貴重な時間を無駄にしてしまいます。
本記事では、勉強計画の立て方について、順を追って説明します。参考図書の紹介もありますので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
受験勉強に確保できる時間を概算する
まず、医学部再受験に向けてどれだけの時間を勉強に確保できるか、ざっと計算してみてください。
なぜ、最初に勉強時間の概算を行うことで、
- 「時間を無駄にしない」という意識が芽生え、集中力が増す
- 確保できる時間に合わせて、使う参考書・問題集を選ぶことができる
- 隙間時間も有効に活用できるようになる
というように、効率の良い勉強ができるようになります。
現在、働いている人もいれば、大学・大学院に通っている人もいるでしょう。また、子育てをしている人もいるかもしれません。立場はいろいろだと思いますので、受験勉強に使える時間には差があります。
私の場合、大学院の最終学年から勉強を始め、次の年には常勤職に就職しました。大学院に所属していた時には論文の執筆と学内審査、アルバイトがあり忙しく、平日3時間(通勤時間1時間を含む)、休日7時間程度でした。就職後には、平日4時間(通勤時間2時間を含む)、休日8時間くらいの時間を確保できました。1か月あたり116~144時間、1年で1392~1728時間の勉強時間ということになります。一般受験と編入学試験の二刀流でしたので、社会を除くと、英語、国語、数学、理科2科目の計5科目にかけることのできる時間は、単純計算で1科目あたり週に5.8~7.2時間、月に23.2~28.8時間程度です。
実際に計算してみると、勉強に使える時間は意外と少ないということがわかります。したがって、この限られた時間をうまく使わないと、どんどん時間が無駄になって焦るということになってしまいます。
通勤・通学時間を有効に利用する
通勤・通学時間が長い人にとっては、貴重な勉強時間ですので無駄にしないようにしましょう。
通勤・通学時間というのは、毎日必ず確保できます。スマートフォンでネットサーフィンをしたりゲームをしたりしていた時間をぜひ勉強時間にあてましょう。
通勤・通学に時間がかからないという人は、起床時間を早めてみるのもおすすめです。朝は頭がつかれておらずフレッシュですので、考えて理解することに使う時間としては最適です。
私の場合、往復の通勤時間が2時間ありましたので、参考書を読んで理解することに使っていました。休日も平日と同様に早起きをし、数学や理科の演習、過去問を時間を測って解くようにしていました。夜遅くまで勉強するよりも効率がよいです。
本番の試験も朝から行われますので、頭が十分に回転するよう、朝から勉強する習慣をぜひ身につけましょう!
勉強時間の配分に注意する
暗記物は夜にまわす
通勤・通学時間を含めて、朝に暗記物をやるのは避けた方がよいです。
なぜなら、ものを覚えた後に何らかの妨害が入ると、記憶の定着がうまくいかなくなるからです。睡眠により干渉されない状態をつくることで記憶が強化されることが脳科学で明らかにされています。
私も高校生の頃は、通学の電車内で「試験にでる英単語」や桐原の「英頻」をやっていましたが、やった割にはあまり覚えていませんでした。一方で、試験前日の夜に集中して暗記した後に睡眠をとると、翌朝の試験では非常によく頭の中に残っていました。皆さんも同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか?
詳しくは、おすすめ書籍で紹介した『奇跡の記憶術』の記事を参照してください。
苦手科目に時間をあてる
得意科目ではなく不得意科目により多くの勉強時間をあてることが合格への近道です。
なぜなら、短期間で学力を上げようとする場合、得意科目の点数を伸ばすよりも不得意科目の点数を伸ばす方がはるかに楽だからです。コンスタントに80点取れる科目を90点まで上げようとすると、科目によっては細かいところまでカバーしなければならなくなり時間がかかりますが、いつも50点程度しか取れない科目を60点にするのであれば、基礎を中心に見直すことで短期間での点数アップが可能なはずです。
私は特に数学が苦手でした。編入試験でも受験科目に数学が課される大学を受験することにしたため、数学に重きを置いた計画を立てました。一方、得意科目であった理科2科目と英語については、知識の漏れがないようにメンテナンスを中心に行いました。
苦手科目を勉強するのはストレスだと思いますが、医学部受験においては苦手科目の存在は致命傷となりかねません。「得意科目に変えてやろう!」くらいの意気込みで取り組んでみてください。
基礎まで戻ることをためらわない
不得意な科目に関しては、基礎まで戻ることを躊躇しないようにしましょう。
「さすがに再受験なんだから、高1レベルの基礎はわかるよ」といった意味のないプライドは捨てるべきです。試験での成績が安定しない科目がある場合、基礎の部分で躓いていることが少なくありません。土台がしっかりしていないところに石を積み上げていっても、簡単に崩れ去ってしまうのです。真の学力を身につけようとするのであれば、場合によっては、中学レベルにまでいったん戻ることも考えるべきです。
「そんなこと言っても時間がないよ~」という方もいると思います。「科目別学習法」であらためて触れますが、最近では学校の勉強から長く離れていた人が短期間で概要を復習することができる「振り返り教材」というものが多数出版されていますので、積極的に活用しましょう。
反復回数に留意 ~薄いものを5回やる~
受験勉強のメインにすえる教材を選択する際には、できるだけ薄いものを選択してください。
完璧主義の人に多い傾向ですが、知識を盤石なものにしようとして、ついつい分厚い参考書を基本所に選んでしまいがちです。たとえば、化学でいうところの『化学の新研究』のような教材です。こういった本はわからないことを調べる際に使用するにはかまいませんが、決して通読しようなどとは思わない方がいいです。たとえ1回通読したとしても、読み終わった頃には、ほとんど記憶には残っていないでしょう。
現役の頃、私も同じ塾の生徒が持っている参考書がよく思えて、分厚い参考書をたくさん買い込みましたが、どれ1つとして通読できたものはありませんでした(笑)
受験で要求されるのは、たくさんの知識があることではなく、使いこなすことができる知識を持っていることと論理的な思考力が身についていることです。記憶すべきことをあやふやな状態ではなく確実に引き出せるものとして定着させるためには、少なくとも5回の反復が必要です。この5回のタイミングについても、脳科学で明らかにされた記憶のメカニズムに基づいて、一番よい時期がわかっています。
というわけで、1年のうちに同じものを5周するとなると、分厚い教材ではとても手が回らないことは明らかです。薄い教材を繰り返し使って土台となる基礎の部分をしっかりさせることで初めて科目の全体像を俯瞰できるようになり、枝葉の部分を補っていくことが可能になります。
繰り返しになりますが、記憶術に関して自信のない人は、おすすめ書籍として書いた『奇跡の記憶術』の記事を参考にしてください。記憶術は医学部に入学してからもずっと必要なものですので、できるだけ早く習得しておくべきです。
記憶に定着していないような知識は受験ではまず役に立ちません。自由自在に使いこなせるまでに定着した記憶内容こそが受験では威力を発揮します!
合言葉は、「薄いものを5回やる」です。
1年で合格する計画を立てる
勉強計画を立てる上で重要なことは、どんな人でも1年で合格できる計画を立てるということです。
勉強にあてることのできる時間を、現状をもとに合格までに必要と思われる勉強時間とのギャップが大きく、とても1年では終わらないという人もいるかもしれません。しかし、最初から2年計画、3年計画とはしない方がよいでしょう。
なぜなら、再受験生の場合、やはり1年でも早く医学部に入って医師になれるよう、受験準備はなるべく短く切り上げたいからです。また、「1年で終わらせる」という覚悟をして臨まなければ、「まだ時間があるから」と集中力を欠き、時間を無駄にしてしまったり、途中で挫折してしまったりしやすいからです。
結果として内容が薄い計画になってもかまいません。1年で合格できるように計画を立てることで、たとえ1年目は失敗したとしても、次の年には、1年目でやったことの繰り返しに加え、1年目でできなかったことを補足的に取り入れていくことで、確固とした学力が身についていきます。
自分で計画を立てることが肝心
勉強の計画は必ず自分で立てるようにしましょう。他人に計画を立ててもらったり、特定の人物の計画を真似するのはおすすめできません。
自分のことは自分がいちばんよくわかります。周囲の人にアドバイスを求めるのはもちろん良いと思いますが、最終的に合格に向けて何をいつどのようにやるかを決定するのは自分自身です。
参考図書
最後に、受験勉強の計画を立てる上で参考となる本を紹介します。
巷には、医学部の合格体験記を含め、医学部受験の勉強法を指南する本があふれています。私も受験生の頃、合格体験記を何冊も読みました。中には、このように勉強すれば必ず受かる、この問題集をやれば受かる、といった独自の勉強法を勧めているものもあり、合格体験記に書かれているやり方をいくつも真似してみたこともありますが、うまくいったものはほとんどありませんでした。
合格体験記に書かれているやり方は、あくまでもその人にとっては適切な勉強法であったのだと思いますが、当然のことながら万人に当てはまるようなものではありません。現役ストレートで医学部に合格する人のやり方が、医学部再受験で苦闘している人にマッチしたやり方である可能性は低いでしょう。選ぶ参考書や問題集に関しても同じことが言えます。万人に当てはまるというような趣旨で書かれている本である場合、全くあてにはできないと考えてください。
私も、自分自身の受験経験や予備校講師時代に多数の生徒を指導した経験をもとに、このブログで再受験生を応援していきますが、自分がやってきたことを押し付けようとは全く思いません。
本記事で紹介する本などをもとに、自分にとって最適な受験計画を立てるようにしましょう。
『2400時間で試験範囲を徹底攻略 医学部に受かる勉強計画』
本書は、医歯薬系予備校の先生方により執筆されたもので、個人の合格体験記の類ではありません。まず受験時間を設定し、どの段階でどういう勉強を行うように計画を立てればよいかを科目別にアドバイスしたものです。Amazonレビューをみますと、参考図書として記載されているものが古いといったコメントがありますが、使う参考書や問題集まで本書の通りに真似する必要はありません。
本書を読むことで、受験計画を立てることの重要性を再認識できるでしょう。独学で勉強を進める人にとっては、十分参考となる一冊です。
まとめ
本記事では、志望校合格に向けた受験計画の立て方について説明しました。
人によって確保できる勉強時間、合格までに準備すべき学習内容は異なりますので、残念ながら万人に当てはまるような
次回は、いよいよ具体的な学習計画の立て方を説明していきます!
最後まで読んでくださってありがとうございます。これからも受験生のみなさんに役立つ情報を発信していきます。
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