こんにちは、m_yossieです。このブログでは、医学部再受験を頑張っている方に役立つ情報を発信していきます。
島根大学編入試験の解説と対策をお願いします。
前回の記事では、医学部受験を思い立ったらまずやるべきことを説明しました。
本記事では、志望大学の決定のしかたについて説明します。
私は医者の家系に生まれた訳ではなく、母子家庭育ち、母は高卒です。高校生の頃から医学部に憧れていましたが、2浪しても合格できず、基礎研究の道に進み、医師の夢からは遠ざかっていました。
しかし、30を前に一念発起して医学部再受験の勉強を始め、独学で国立大学医学部の編入試験に合格しました。現在、内科医として日々臨床を行っています。
また、医学部専門予備校で講師として10年間の指導経験があり、多数の生徒を合格に導いてきました。編入学試験受験者の指導経験もあります。
相手(志望大学)を決めて戦略を立てないことには、貴重な時間を無駄にしてしまいます。本記事を参照して、早めに志望校を決定し、次のステップに進んでください!
志望大学を決定する
「さあ、受験勉強を始めるぞ!」と意気込んで、やみくもに参考書や問題集を始めるのは得策ではありません。特に、再受験の場合、勉強に費やせる時間は現役の高校生や浪人生に比べて限られています。趣味としての勉強ではありませんので、試験に出ないような内容を一生懸命勉強するような時間はとてもありませんし、勉強する必要もありません。
限られた時間を最大限に活用するため、受験を決意したら、次は受験する大学を決定します。出題科目、頻出の出題内容と科目別の配点をよく確認し、メリハリをつけた勉強することが必須です。
一般受験の特徴
一般受験の大学別試験科目と配点の概要は下記資料を参照してください。
国公立大学はこちら↓
私立大学はこちら↓
一般受験の特徴は、以下の4つです。
- 募集人数が多い
- 高校生・浪人生との闘いになる
- 受験科目が多い
- 再受験組には面接で不利になることがある
特に国公立大学を志望する場合には、4に注意が必要です。順番にみていきましょう。
募集人数が多い
一般受験の場合、編入試験と比べると募集人数が圧倒的に多いです。私立大学はどうしても倍率が高くなりますが、国公立大学の場合、倍率が高いとされる岐阜大学、島根大学でもせいぜい6倍程度です。
高校生・浪人生との闘いになる
当然のことですが、一般受験では再受験の人のみでなく現役の高校生、浪人生との間でしのぎを削ることになります。受験勉強から遠ざかっており、特に自分が高校生だった頃とは課程が変わっている場合、相当のハンデを背負って準備を進めていくことになります。
受験科目が多い
国公立大学を目指す場合、大学入学共通テストを避けては通れませんので、基本的には以下の5教科6科目の勉強が必要になります。
- 英語
- 数学
- 理科(物理・化学・生物)2科目
- 国語(現代文・古文・漢文)
- 社会(日本史B・世界史B・地理B・政治経済・倫理・現代社会)1科目
理科、社会に関しては、受験する大学により選択可能な科目が異なるため注意が必要です。
一方、私立大学では、英語・数学・理科2科目を課す大学がほとんどです。帝京大学の入試は特殊であり、英語に加えて数学・理科3科目・国語の中から2科目を選択することが可能であり、極端な話ですが文系の方でも受験が可能です。
理科
①大学入学共通テスト
- 名古屋市立大学、佐賀大学で物理・化学の指定があります。
- 山口大学では化学が必須です。
- 東京大学、金沢大学、愛媛大学のように地学を選択可能な大学もあります。
②二次試験
- 北海道大学では物理が必須です。
- 群馬大学、金沢大学、愛媛大学、九州大学、佐賀大学では物理・化学が必須です。
③私立大学
私立大学の場合、ほとんどの大学で物理・化学・生物から2科目を選択します。
私立専願、または物理・化学の科目指定を指定しない国公立大学との併願の場合には、生物を選択してもよいでしょう。実際、私が教えていた予備校でも、私立医学部志願者の多くは、化学・生物を選択していました。
社会
現代社会、地理A、世界史A、日本史Aで可能な大学には、弘前大学、群馬大学、名古屋市立大学、大阪市立大学、宮崎大学があります。
特に上記の大学を志望しないのであれば、選択肢の幅が狭くならないように、これらの科目は回避したほうがよいでしょう。
国語
山形大学、東京大学、名古屋大学、京都大学では二次試験でも国語が課されます。
再受験組には面接で不利になることがある
医学部受験では、面接も避けて通れません。特に国公立大学を受験しようと考えている人は、面接試験対策に注意が必要です。
私が再受験1年目に受験した某国立大学の面接試験では、「君のようなのが税金の無駄遣いというんだよ」とはっきり言われたのを今でも覚えています。国立大学にもう一度、それもお金のかかる医学部に行こうというのですから、無理もない意見であるとは思います。現役ストレートの人と比べて医師として活動できる年数も当然少なくなります。再受験生の場合、このような否定的な意見をねじ伏せるだけの志望理由を準備しておく必要があります。
学士編入試験の特徴
まず先にお伝えしておきます。一般受験と学士編入試験の二刀流が断然おすすめです。
理由を以下に説明します。
学士編入試験を実施している大学は、こちら↓
私立で編入試験を実施しているのは岩手医科大学と北里大学の2校のみですので、編入試験というと基本的には国公立大学と考えてください。
編入試験の特徴として、
- 募集人数が少ない
- 大卒(または大学在学中)しか受験できない
- 面接試験のことで悩む必要がない
- 複数の大学を受験することができる
- 早く医師になれる
の5つを挙げます。
募集人数が少ない
募集人数5名の大学が多く、最も多い弘前大学で20名程度です。極端に言うと大卒なら誰でも受験可能であるため、倍率は10倍以上、高いところでは40倍にもなります…。
この数字だけを見て「絶対無理じゃん!」とあきらめないようにしてください。
なぜなら、実質倍率はそこまで高くはないのです。
編入試験は早いところで7月ころから始まります。編入試験受験者の多くは複数の大学に出願しており、受験会場では全国の医学部を巡っているような方もみられます。早い段階で合格切符を手にした人はさっさと合格した大学に入学手続きをしてしまうことが多く、他大の受験は放棄してしまいます。
また、誰でも出願できてしまうことから、「受かればいいや」みたいな軽い感覚で大した対策もせずに受験している人もいるようであり、途中で帰ってしまうようなケースもあります。
実際、私が受験した大学でも空席は見られましたし、試験がすべて終わらないうちにいなくなった人もいました。
全国の国公立大学の合格者数は総勢200名にもなります。こんなチャンスを逃すのはもったいないです。みかけの倍率に騙されないようにしてください!
文系出身でも十分合格できる
あなたが文系学部の卒業であっても、編入試験合格のチャンスは十分にあります。
試験科目を見てもらうとわかるように、大学によっては小論文と面接のみというところもあります。また、英語と生命科学を課す大学もありますが、英語といっても殊更に対策をするような必要はあまりなく、基本的には英語力をみる試験です。生命科学に関しても、文系の人には入っていきやすい科目であると思います。「大学で学ぶようなことを問われるなら、とても歯が立たない」と思われるかもしれませんが、実際には、大学受験の学習範囲に毛の生えた程度のことしか問われませんので、大学受験の勉強プラスアルファで十分に対応できます。これらの科目の勉強法については、「科目別勉強法」の項であらためて説明します。
一般受験では理系科目回避というわけにいかず、物理や化学の勉強をゼロからスタートするとなると相当なハンデになります。
実際に私が編入した大学の同期にも後輩にも文系出身者はいましたし、予備校で指導した生徒の中にもやはり文系出身の人がいました。
文系学部卒の方も、ぜひ編入試験を検討してみてはいかがでしょうか。
面接試験のことで悩む必要がない
編入試験では当然、学部卒が受験者ですので、一般受験の面接の項で触れたように面接官から嫌味を言われるような心配はありません。個人的には、この点が編入試験の最大の利点であると思います。
面接に関してですが、特に予備校などで指導を受けなくても大丈夫です。不安であれば、もちろん予備校の面接対策を利用してもよいのですが、面接でどのようなことを聞かれるかなどの情報は、いまやネット上で簡単に手に入ります。
私の例で言うと、私は面接対策なるものを受けたことはありません。どちらかというと人前で緊張しやすいタイプであり、受かった大学の面接でも相当にかたくなっていたと思いますが、無事に通過しています。実際に面接を行っている先生からお聞きしたこともありますが、基本的には、性格や思考に問題があり、「こんな人に医師になってもらっては困る」という人を排除するためのものですので、あまり神経質になる必要はないでしょう。
複数の大学を受験することができる
一般受験の場合、国公立大学のみ受けるとすると前期・後期日程の2回しかチャンスはありません。
しかし、編入試験の場合、日程が重ならなければ何校でも受験することが可能です。お金や受かってから住む場所の問題もあり、片っ端から受けるという人は多くはないと思いますが(対策も大変になります)、それでも自分が宇受けたいだけ受けることができるというのも編入試験の利点の1つであると考えます。
各大学の所在や試験科目・出題内容を確認し、自分が受験できそうな大学をピックアップしてみましょう。
早く医師になれる
一般受験の場合、6年間通ってやっと医師になれるわけですが、編入試験に合格すると基本的には2年生からのスタートになります(過去には3年次編入という大学が複数ありましたが、現在では島根大学の一部のみです)。
この1年という時間、再受験の人たちには大きいと思います。ただでさえストレートで医学部に入った人たちと比べると医師として活動できる時間が短いわけです。また、1年分の学費を節約できるというのもうれしいポイントです。
1年早く医師になれるというのも編入試験の大きなメリットの1つではないでしょうか。
海外の大学医学部受験
最近では、チェコやハンガリー、中国といった海外の大学医学部を卒業して日本で医師として活動している人を職場でも多く見かけるようになりました。海外の大学医学部を受験する場合の特徴を挙げてみます。
- 日本の医学部に比べて入りやすい
- 受験科目数が少ない
- 日本の私立大学医学部に行くよりは安く済む
- 卒業後に日本で医師免許をとることが可能
日本の医学部に比べて入りやすい
日本の受験制度ではどうしても医学部合格にたどりつけないという場合、日本の医学部よりも入学のハードルが低い海外の医学部入学を検討してみてもよいかもしれません。
ただし、海外の大学では日本と比べて卒業は難しいので、入学してから相当頑張る必要があると思います。また、渡航前から語学の学習にも力を入れる必要があるでしょう。
受験科目数が少ない
語学試験と理科2科目が基本のようです。数学が苦手な人にはよいかもしれません。
日本の私立大学医学部に行くよりは安く済む
日本の私立医学部に進む場合、一番安い大学でも2000万円程度かかります。海外の大学医学部に進む場合にもそれなりにお金がかかるわけですが、奨学金制度もありますので、私立医学部に進むことを考えると選択の余地はあるかと思われます。
卒業後に日本で医師免許をとることが可能
卒業後も海外でしか働けないわけではなく、条件を満たせば日本の医師国家試験を受験することができます。WHOの医学部リストにある大学でなければ受験資格を得られないようですので、この点には注意が必要です。
試験科目数が少ない方がよいのか?
試験科目数が少ない大学を選ぶ場合、もちろんメリットもありますがデメリットもあります。
メリット:
- 勉強の負担が少なくて済む
デメリット:
- ライバルが多い
- 1つの科目で失敗した時のリカバーが難しい
試験科目数が少ないと、各科目にかけることのできる時間が増えてよさそうに思われます。文系の人でも理系科目を勉強する負担が減るので一見するとメリットのように感じられるかもしれませんが、同じように考える人がたくさんいるわけです。要するにライバルが増えるわけです。特に編入試験では、やはり試験科目が少ない大学で倍率が高くなる傾向にあります。
また、本番の試験である科目の出来が良くなかった場合、他の科目で挽回しようと考えるわけですが、科目数が少ないと1教科の失敗が響きがちです。
私の場合、科目数が多い大学を受験しました。得意の化学で手ごたえがなかったのですが、他の科目で化学の失敗をリカバーでき、合格することができました。
受験科目をあとから減らすことはできますので、特に理系学部卒の方は科目数の多い大学をあえて選ぶことも検討してみてください。
まとめ
本記事では、志望大学をどのように決めていくか、一般受験と編入試験の特徴を見比べながら説明しました。医学部再受験にあたり、メリットの多い編入試験をぜひ検討していただきたいです。
次回は、「目標と現状とのギャップを測る」具体的な方法を説明していきます!
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