こんにちは、m_yossieです。このブログでは、独学で医学部再受験を頑張っている方に役立つ情報を発信していきます。
島根大学編入試験の解説と対策をお願いします。
前回の記事では数学の勉強法とオススメ教材を紹介しました。
今回から、いよいよ大学別の過去問研究と対策についてお話しします。
私は医者の家系に生まれた訳ではなく、母子家庭育ち、母は高卒です。高校生の頃から医学部に憧れていましたが、2浪しても合格できず、基礎研究の道に進み、医師の夢からは遠ざかっていました。
しかし、30を前に一念発起して医学部再受験の勉強を始め、独学で国立大学医学部の編入試験に合格しました。現在、内科医として日々臨床を行っています。
また、医学部専門予備校で講師として10年間の指導経験があり、多数の生徒を合格に導いてきました。編入学試験受験者の指導経験もあります。
第1弾は、島根大学です。
過去問が入手しやすい大学からの解説になりますが、他大学の編入試験対策をする上でも参考になる部分はありますので、お付き合いください!
解答・解説は、記事のいちばん下にあります。
令和2年度 自然科学総合問題 問題Ⅲ
問題のダウンロードはこちらからお願いします↓
生命科学分野からの出題です。
講評
問1、2
組織学分野から、大脳皮質の基本構造に関する出題です。また、大脳の解剖学、運動・感覚の伝導路に関する基礎的な内容まで問われています。
問3
トリチウムは放射性同位体です。高校化学でも学習する基本的な出題ですので、確実に得点したいところです。
問4
チミジンとはどういう物質なのか、細胞が新たに生み出される際に分子レベルでどういうことが起こるか、の2点を考えれば、正解にたどりつけます。高校生物の範囲で解答可能です。
問5
高校生物では、神経細胞とグリア細胞がある、というところまでは学習しますが、グリア細胞の細かい機能までは教わりません。組織学の基礎的なところまでは学習しておかないと答えるのが難しいでしょう。
問6
問題文中にあるように、成体脳から放射線が検出されたからといって、神経細胞に取り込まれたはいえず、グリア細胞に取り込まれた可能性も残るわけです。
そこで、「抗体」の出番です。抗体を使うわけですから、高校生物で学習する「抗原抗体反応」が関与することには気づけると思います。あとは、この反応を細胞の区別にどう使うかということですが、組織学の基礎的な知識がないと解答は難しいでしょう。
問7
問題文に丁寧な誘導がついていますので、それに従って解答します。「医学部を受けるのだから、海馬の機能くらい知っていますね?」という出題者からのメッセージが感じられます。
試験対策にオススメの教材
高校生物の学習については、『科目別勉強法〜生物(生命科学)』を参照してください。
島根大学では、解剖学・生理学の基礎に踏み込んだ内容まで出題されています。
しかし、専門的なことが固い文章で書かれた分厚い教科書を買って勉強するというのは、限られた受験勉強の時間を考えると非常に効率が悪いです。
そこで、こちらの本をオススメします!
メディックメディアの新刊です(2023年2月28日発売)。
メディックメディアの『病気がみえる』シリーズは、医学生の頃に愛用していました。医学生が普段の勉強に使用するテキストとして『STEP』、『病態できった』シリーズもありますが、個人的に、『病気がみえる』は圧倒的にわかりやすいです。
- イラストが豊富
- 文に硬さがなく、頭に入りやすい
- 医師以外の医療従事者にわかるように記載されている
- 医学生が編集に参加している
といった特徴があります。一般の人が読んでも十分わかるように書かれており、頭に残りやすいです。医学部の試験勉強はもちろん、医師国家試験の勉強もメディックメディアの教材中心で十分でした。
本書は、医学部に入ったばかりの学生が、解剖学・生理学といった勉強しにくい内容をわかりやすくまとめた1冊です。私も購入して一通り目を通しましたが、編入試験対策にも十分役立つ内容です。限られた時間でポイントをおさえた勉強をするには、うってつけの1冊と言えるでしょう。
まとめ
島根大学の令和2年度医学部編入試験、自然科学総合問題の問題Ⅲを解説しました。
高校生物の学習のみでは対策が不十分です。紹介したオススメ教材も使って、効率の良い対策を行いましょう!
解答・解説
最後に、解答・解説です。
時間をかけて丁寧に作成しました。解答作成上のポイントも記載してあります。
すみませんが、無断転載を防ぐため、有料コンテンツとします。
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